魔よけ棒売り

　カトマンズの街では、いろいろな物売りが、雨だろうと風だろうと、街の隅々まで歩き回り、自転車を押して商売しています。　商品は様々で、お野菜アリ、衣類アリ、カーペットあり動物アリと何でもありです。


　そんな物売り連のなかでも、今回はちょっと異色のおじさんに遭遇しましたので、紹介したいと思います。このおいちゃんは日常生活にあまり必要ではなさそうなものを売っていました。しかもタメルで。

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　笑顔の素敵な、ネパール帽のよく似合うおいちゃんです。最近は暑くて、日中３０度を越す日が続いていますが、おいちゃん気合です。ウールのベスト（もしかしたらセーターかも知れんなぁ）が見えます。さらにマフラーも軽く巻いています。年季でしょうか一人ガマン大会でしょうか。おいちゃんだけに目を向けると、ただ単に、歩きつかれてチョッと休憩、といった趣ですね。


がしかし…こんな普通な、いや、暑さに強いおいちゃんは、
実は『魔よけ棒』売りだったのです！！

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コチラが魔よけ棒となります。
　「要らんかえ？」と、問われてチョッと「欲しいな…」とは思ったものの、魔よけ棒がツル植物の支柱になってしまいそうでしたので、欲望をグッと抑えて「また今度にしとくわー」と答えました。


　魔よけ棒の素材は、なんらかのツル植物だと思われますが、細工してクネクネにしたものではなく、自然にこうなったものを魔よけ棒として使用するそうです。ふーん。「コリはなー、７回こう、クネクネなっとるんがいいんだヨー」とはおいちゃんの弁。ふーむ。


　設置場所は家の入り口、玄関のドアの上あたりが望ましいそうです。けれども、これまでのカトマンズ生活において、こんな棒を玄関の上に設置してある家を見たことがありません。あんまり効果ないのかな？うちのスタッフのウダエのとこは、カトマンズから少し離れたとこｒなのですが、同じような魔よけグッズとして「ヘビの皮」を使用するようです。うーん、それはそれで気持ちワルイなー。


　買う気はないくせにさらにインタビューを続けると、「オイはなー、この魔よけ棒を売って２５年になるんサー」との発言。しかも親父さんの代から。「買う人、いるんだ」と聞くと、「そりゃあもう」とのこと。それにしては、見かけん。「一日何本くらい、売れるん？」と聞いてみますと、「５～６本かな」とのこと。


　一日歩いて５～６本か。これがいいのか悪いのか。とりあえず２５年も続けているんだから、商売になるんだろうなーなどと思いながら、「ちなみにいくら？」と聞いてみると「３５０ルピーだよ」。えっそれってかなり高くない？！おいちゃん以外と商魂たくましいなぁ。