ダサイン前の嵐

　毎年のコトながら、ダサインには結構やられる。ネパールのカレンダーに従っていくと、１０日間の大連休なのである。学校も夏休みさながらダサイン休みだし、もちろん役所も閉まるし、いつも買うパン屋さんも閉まっちゃう。アトラスも休み。だったらいいんだけど…仕事が趣味のうちのダンナは、休んだところでナニをしていいやらわからないらしく、アトラスは休みのムードに逆らって仕事が続きます。。休みたい。。。

しかーし！日本は冬物商戦が始まるし、西洋はクリスマスのため、ナニがナンでも早く荷物を送ってくれっ！！というメールが毎日お客様からやってくる。商品がなくては商売にならないのですが、ネパールサイドもオーダーが多すぎて仕事がこなせず「ダサイン前には納品します」などど口約束しておきながら、この場におよんで「すみません、できません…」なんていう問題が多発。おいっ！！できないなら出来ないとナゼもっと早く言わないのですかっ！！ダサインのどさくさで許されると思ってンのかっっ！！


と、怒ったところで商品があがってくるわけでもなく。とにかくある物だけでも先にお客様にお届けせねばなりませぬ。だって、明後日からは連休で、荷物も輸出の手続きが出来なくなっちゃう…。そんなワケでここ一週間くらいは、ダンナは朝お茶だけ飲んで出かけて、夜は９時過ぎて帰ってくるという日々。ま、スタッフいないし、自分たちでやるしかないんだけど、ヒゲはボーボーだし、ジーパンもかなりクタクタだし、事務所はホコリだらけで、っていうかホコリ積もってるし、荷物はまた山のようだし…足の踏み場もない。


こんな状態なのに、家族はノンキに「ダサインは田舎帰るよね～」などとしょっちゅう電話をかけてくるわ、正月の子供よろしく、いい大人が「ダサインの小遣いちょうだい」とねだりにくるし、電話もひっきりなしにかかってくる。いやぁダサインですわ。ダンナは伸ばしかけの髪を振り乱し、スタッフというかうちの右腕のＡは若ハゲなんだけど、彼も少ない髪が乱れるほどにパッキングと書類の作成に追われ。あ、だからハゲちゃったのかな？仕事させすぎかな？工場さんとの打ち合わせや支払いも山のよう。まだ商品送っていないのに、追加オーダーが来たり、もうナニから手をつけていいか、これが本当のてんてこ舞いってヤツ。


　そうこうしつつも、明日には輸出の手続きをなんとか終わらそうと、箱詰めされた荷物がどんどん倉庫を占領。もうドアが閉まりません…下の通路に置かせてください…。それに、みなさん遅くなってゴメンナサイ。それもこれもダサインのせいです。輸出の手続きが終わっても、今度は飛行機の予約を手配し、一日でも早くお届けできるように、航空会社との交渉が待っています。これがまた戦いで、スナオに順番を待っていようものなら、いつ飛ばしてくれるものやら、そこらへんは社長、あなたの腕次第でござい。

　荷物が事務所から出て行って、ちゃんと飛行機に乗ってお客様のお手元にお届けするまでは、アトラスにはダサインはやって来ません。無事に、早く嵐が過ぎることを願って、今年もよいダサインが迎えられますよう！