2007年7月20日金曜日

見送り。

 この頃ではネパールからの出稼ぎのみならず、海外で勉強する若者もかなりの数に上るであろうと思われます。そんな一人として、甥っ子が、アメリカへ留学のため旅立って行きました。

 前日からそりゃーもぅ何のお祭りかとも思われるほどの騒動でしたが、いざ旅立ちの朝となると、一層のこと。親戚一同集合くらいの勢いです。私たち日本人にしてみれば、たかが海外に行くくらいで大げさやなぁ!と感じる光景ですが、そこはネパール、外国に出るということは、人生の一大事と言っても過言ではないでしょう。

 大きなトランクの中身は洋服やノート、なぜかブランケット、そして大量のインスタントラーメン。インスタントラーメンはネパールの方が安いかもわからん。でも、その他はあちらにだって安く売っていると思うよ…誰かが「アメリカは、牛乳とインスタントラーメンがすごい高いらしいよ!」と話をしたらしい。そうなのかな?

 朝から見送りの為にワラワラと人が集まり、祝福の赤いティカをおでこに付け、おばあちゃんは「もういつ会えるかわからん」と孫を抱きしめては今にも泣きださんばかり。お母さんは「靴下も洗ったことのない息子が、向こうでちゃんとやっていけるか…」と心配をむき出し。ナント!靴下も洗ったことがないのか!私は、靴下くらいスグ洗えるようになるよ…腹が減ったら飯を食うよ…と思っていたが黙っていた。
 
 そうしてゾロゾロと行列は表へ出て行くと、今度は近所の人たちが「あの子はアメリカへ行くんだと!」とこれまたゾロゾロ出てきては「気をつけて行くんよ!」「シッカリやんなさいよ!」などと声をかけ、まるでヒーロー。家族総出で空港まで見送り。

 今頃初めての飛行機のなか、初めての異国の地に向けて、不安や期待を胸に、いろんな思いが胸を駆け巡っていることでしょう。小さな国ネパールのまたその中のカトマンズという小さな街から、世界へ羽ばたく若者が、これからもどんどんふえることでしょう。沢山の人と出会い、いろんな体験をして、一回りも二回りも大きくなって会える日が、今から楽しみです。

 

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