夜明けの音。

　まだ夜も明けきらぬ、早朝…

プシュー！…プシュー!…プシューーー！！！…

　うるせぇなぁ…！！まだ眠たいのにぃ…一人ごちながら、まどろむ意識の中、朝の早い小鳥のさえずりに混じってご近所中に響く、その音の正体は「圧力鍋」。薄暗い中、時計をみると、、まだ朝５時半やで！もう一回寝られるで！！


　布団の中で、起きようか…もうちょっと眠たいし…と思案していると、今度はザーッ…ザーッ…掃除の音が階下から聞こえてくる。あきらめて布団から抜け出し、お茶を入れて今日は何をしようと考えていると今度は茶碗を洗う音、ガチャンガチャン。だんだん外も明るさを増してきて、しばらくするとチリチリチリーーーン…朝のお祈りの鐘の音。はぁ。。。遠くからはブォォォー…ボォォォォー…とほら貝の音が聞こえてきます。ふぅ…。どこかで洗濯を始めたか、ジャバー、ジャブジャブ。水の音。


　カトマンズの人たちの朝は、早い。5時なんて、ざら。電気のついている家、ちらほら。日本でも、音が聞こえないだけで、結構こうした早起きさんは居るのかもしれないけど、とにかく音が洩れるから、余計に早起き人口が目立ってしまうのかなぁ？そうこうして、日も高くサンサンと輝く時間、子供たちが学校へ行ってしまい、お父さんが仕事に出てしまうとやけにシーンとしてしまうのでした。

しーん。

　この静かさ…朝がもっと静かだったらいいのに！まだ、チビが生まれる前は、1フロアを２部屋だけ間借りして、通路を挟んだお隣さん一家と生活していたことがありました。そこには、長く住んでいたので、お隣さんが何度か入れ替わりました。その中でも、キョーレツだった一家があります。。じいちゃん、ばあちゃんを頭に、いったい何人が住んでいるのか分からないんです！推定１０人。２部屋に１０人ってのもすごいけど、さすが、じいちゃんばあちゃんは、朝が早かった。

　それだけならいいんだけど、じいちゃんの朝の日課のお祈りが問題である。夏でも冬でも朝一番に行水して、冬などは「う"う"う"～～～」といかにも寒そうな声が聞こえたかと思うと（そりゃ寒いだろう！）、ゴニョゴニョー・・・とお経を上げる声が聞こえ、チリチリチリチリーーン～～～～！！！！鐘の音も混ざります。クライマックスには息を大きく吸い込んで、ほら貝です！ぼぉぉぉぉぉ～～～ぼぉぼぉぼぉ～～～～！！！
　
　これは日課のようですから、毎朝でした。もう、頼むからやめて…カンベンして…と、毎朝心の底から願ったものでした（笑）今だから、可笑しいけど、いやぁあれには慣れることが出来ませんでした。

　自分も早起きチームになっちゃえば、苦にならないのにね（笑）