番狛犬

　カトマンズやパタン、バクタプルなど、盆地の古い街のあちこちに、それこそ数え切れないほどのお寺や祠が奉ってあります。その門の前に鎮座する『狛犬』。美しい建物や彫刻と比べるとあまり注目されないこの『狛犬』にスポットを当ててみようという試みであります。

　記念すべきトップバッターは、コチラ。

***　　　***　　　***

　オールドバザールのアサン・チョークからインドラ･チョークへ向かってスグ、いつものドライフルーツ屋を左に入った路地にある物件です。こうして、日がな、店番をしているわけです。


　どこかこう、薬屋の前のカエルや不二家のペコちゃん、さらにはケンタッキーのカーネルおじさんといった趣きのある狛犬であります。店にはムシロやゴザ、わらで編んだ紐、ビニルシートなどを取り扱っておりまして、暑くなってきたこの頃、昼寝用にゴザが欲しいなーと思っていた矢先の遭遇であります。

　
　ムシロやゴザをシッカリ紐で括り付けられて、万引きから商品を守っています。それにしてはこの紐がやや心もとない気もしないでもないです。このような大型商品であるが故に「そうそう取っていく悪いヤツもおらんだろう」といっやユルめの店主の気持ちもうかがえます。もしかしたらタダ単に、このゴザ類の倒れ防止として利用されているのかもしれませんが…


　このいかにも忠実そうな眼差し。イカつい顔つき。長年この店に仕えているものと思われます。太いマユ毛もその意思を感じさせます（万引きは許さん！！）暑い寒いと文句を言わないし、給料も要らないし、これはまさに最高の店員さんですね。