2009年4月12日日曜日

お助け給水車現る<ライフライン>

 カトマンズに住んで大分経ちますが、今年ほど水不足が深刻な年はない。

 ハー。ハー。ハー。

 これは苦しんでいるのではなく、ため息です。ハイ。いくつため息をついても足りないし、口から水が出てくるワケでもないが、水が、ない。かなり深刻なのであります。というワケで、汲み置き生活に突入です。


「これで水よこせ一揆が起きんのが、不思議だ」

とは、ロータスのカズさんの弁。そうだ。まったくその通りだ。私も参加しよう。


 普段だと、「さっ、お風呂はいるよ!きれいして寝ようね!」という私に、「えー今日はオフロ入らんーーー」などと答えるチビなのに、こんな街にいながらにしてサバイバルなときに限って、


チビ 「おかーさーん、オフロ入るぅぅぅ~」

私 「今日はオフロ入られんよッ!」

チビ 「なんでー…。オフロ入らんと汚いよー…。」


などと生意気言う。しかし、普段は入れというのに入ったらイカンと言わにゃならん私も、本当はツライのだ、娘たちよ。

 一滴の水もムダにはできんのだよ。


***   ***   ***


 という悩みの日々を送っていたある日。

 階下に住む女の子が、「水が来とるよっっ!!」と大声で叫びながら家に帰り、なぜか手にはバケツや水のボトルを持ってまた、走って表へ出て行った。

 ??? 何ですの ??? 

 ボー然と見送る私に、「コラー!ぼんやりしとる場合かー!!空いてるバケツ、全部持ってこんねーーー!!!」と、主婦達から激が飛び、片手にチビをひっ抱え、片手にバケツを2ツぶら下げて行ってみると、

 何だこのオンボロトラック?


 しかもものすごい人だかり。幼児からばーさんまで、手に手にバケツを持って、オンボロトラックに群がっておる。そこで「ハッ!!!!!」と気がついた。

こっ、これは…給水車だッッッ!!


 そこは、普段のんびりの主婦達の姿はなく、殺気さえ立ち上る修羅場と化した、給水車脇…。

 夕飯の買い物に出かけたはずが、舞い戻ってバケツを手に全速力で走ってくる人…。

 私と同じく、子供を小脇に抱えて猛突進してくる人…。

 あまりに久しく走らないのに、頑張って走っているので、コケてしまう人…。

 そうして目出度く水を汲んだら、今度はまたそれもって家に帰って、また空いたバケツもって全力疾走。

 バケツを間違って、よそのを持ってきちゃう人…

 こんなときに限って、バケツの取っ手が壊れちゃう人…


 私達は、おんなじ家に住む主婦連5人でチームを組み、給水車からの蛇口をゲット&死守する係と、バケツを渡して家に持ち帰る係などと、素晴らしいチームワークを発揮して、この先何日かは生きていける水量をゲット。


 やりました。やりましたよ。私達、一番いっぱい汲んだよね♪ しかし、私のような者は、汲みそびれる恐れがあるとふんだか、よその子供を3人も押し付けられ、子守り役になってしまいましたが…。

 そして後日、水を運んだワケでもないのに筋肉痛になったのは言うまでもありません…。


 ハー。こんなことやってる日本人、私くらいだろうな…。
 

2 件のコメント :

  1. サヴァイヴァルの為ならこの際日本人だネパール人だ、ヤンキーだと言ってられないですよね!が!が・・・・しかしだっ・・・・
    なんと心情を言葉にしてよのやら・・
    これって毎日が震災後生活のようですよね~
    が・がんばってくださいまし。。

    返信削除
  2. ナマステ! ズバリと…言っておくれました。そうです。毎日が震災後のようです。しっかしこの騒動の後にはまた、ご近所さんで「楽しかったわ~~」という声があちこちから聞こえてきました(笑)サバイバル・ライフも悪くないですよ!←などという自分が悲しい…

    返信削除