フィルター煙草をはじめて見た人

　

カトマンズからそう遠くない、うちの田舎チャトゥラーレ村。近いがゆえに、少しずつカトマンズから物や情報が入るようになり、同じものでも種類が豊富になり、村のバザールの小さな雑貨屋さんの商品ラインナップに少し変化が訪れています。


　しかし、田舎の年寄りにとってはそんなことは興味の対象ではないらしく。そもそも買いたいモノなんかないし、買うものといっちゃタバコとマッチくらい、とはうちの実家にに住み込んで長いおじさんの弁。そうかぁ…。


　ある暑い日のこと、おじさんの友人が遊びに来て、「一服するかぃ」ということになりました。私も居合わせましたので、「よかったら、コレ、吸う？」と私の差し出したタバコにおじさんの友人（写真手前）が、

　「コリはどっちから吸うんだね？」

　このおじさんは、フィルターのついたタバコを初めて見たんだなぁ！あまりにも素朴な質問に、うちのおじさん（写真奥）も「アハハー！ここ、ホレ、こっちさぁ！そんなんも知らねぇのかぁ！」


　「あれぇ！こんなタバコもあるんかぇ！！」そう言うと、おじさんは素早くフィルターのついたそのタバコを胸ポッケに放り込み、「ほんならアンタにコレあげるよー」と、同じポケットから出てきたのが、カトマンズあたりじゃもう吸っている人を見かけることも少なくなってきた、

サイ印の両切りタバコ

　　うーん、辛そうだ。気持ちだけ頂いておきます。ハイ。両切りタバコは、ネパールではまだまだ普通に健在で、種類も結構いろいろあるようです。買ったことないのでわかんないんですが。


　とりあえず、ポッケに入った私の差し出したタバコの行方が気になります。