麦の収穫を見物←手伝おうよ！！

　暑いですね。スッカリ夏の陽気のカトマンズ、長い長い子供の春休み、砂ぼこりにまみれようが、日焼けしようが（かなり気になってます）、バイクで子供たちが寝てしまおうが、やはりうちの田舎チャトゥラーレ村に行ってしまう私たち。


　数ヶ月ぶりに訪れると、その数日前に子牛が生まれていて、カワイー。ある意味ビーチを思わせるようなキョーレツは日差し。

　「暑いッスねー」

　「ジッとしてろ」

　そうか。それが解決策か。


　ま、それはいいとして、家の前の涼しいところで一休みして景色を眺めて見ると、小作さんたちが麦の収穫をしておりました。

　この炎天下に、作業してもらってありがたいことです。急斜面の段々畑。機械の入るスキまったくなしのこの地では、すべての作業は人の手（＆気の荒い水牛・・・）にゆだねられている。

　こういう姿勢はかなり腰にくるから、大変だろうなぁ。この腰つきならドジョウ掬いもお手の物なんだろうなぁ。などと一人で考えていると、

　「アンタも、やる？」

　結構です・・・麦、かゆくなるし・・・。

　　収穫した麦は、だいたい一掴みにして束にし、畑のふちにおいておきます。全部刈り取りが終わったら、脱穀するところに運びます。「アンタも運ぶ?」って言われたらこわいわ・・。

　
　ということで、そそくさと家のほうへ上がっていくと、背後で、

　「ホーイ！ホーイ！」

　「チョスチョスチョスチョス！！！」

んっ！！なんだなんだッ！！　何か事件発生か？！？！


　見ると、

　サルやん・・・。しかも麦かついでるし・・。大変やなぁ・・・。

　私がのらりくらりと過ごしている間に、麦の刈り入れは大方終わり、女性陣が牛糞や赤土が要ると言ふ。男性陣は平たい石が要ると言ふ。何するんだろう？

　見ると、脱穀の作業スペースを作っているのでした。牛糞と泥でまず地面を軽くならして、
　
　乾いたあとに、赤土で固めているのでした。大変やなぁ・・・私みたいな怠け嫁が来て、お母さんも災難だなぁ・・・。そして男性陣がねだっていた平たい石が、つっかえ棒に支えられて、みっつ、並んでいる。


　女性陣が赤土できれいにならしている間に、男性陣が小山のように麦を担いでやってきた。一息つく間もなく、

「オシ、やるべ」

　おー。一掴みずつ手に取ると、それを石にバシッ！バシッ！と叩きつけて、麦の穂を落としているんですね。大変そうですが、やってみるといがいと簡単にバラバラーっと実が落ちます。


　半分ほど終わったところで、悲しいことにザザザザーっと雨が降って来よりました。コラ。明日ももう作業でけんやん。麦、濡れるやん。急いで大きなシートをかけたりしておりましたが、おサルに見つからずに済むでしょうか。やつも手ごわいからのぅ。