バス停脇の床屋

　ちびの幼稚園のお迎えは、ちょっとうちから遠い、マハラジガンジの交差点まで出かけます。ママ友と交代ですので、そんなに大変でもありません。


　幼稚園の送迎バスを待つバス停は、リングロード沿いということもあって、人も多く、人が集まるところにお店あり…という典型的な光景があります。

　

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　バスを待つ人たちが座る場所に、デーンと店を構えるお姉さん。オイオイ。商品退けたらあと3人は座れるゾ。売り物は、チューインガムやアメちゃんなど、子供がねだりそうなものや、大人が暇つぶしにほしい煙草や噛み煙草など。待ち時間が長くなると、つい、買ってしまうんですよね（笑）



　ま、商魂たくましいのは今にはじまったことじゃないし、つられて買ってしまう人も、私を含めて結構いますので、そう驚くこともありません。皆さんも旅の途中でこんな光景を目にすることでしょう。けれどもオヤっ？　こんなところにナゼか鏡がブラ下がってる？

　バスを待つ人たちが身だしなみチェックするために、誰かが親切心で設置したのでしょうか？それにしても誰もこの親切鏡を使用している風でもありません。じゃあ一体何のために？

　
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　観察を続けると、鏡の小脇に白装束の足を組んだオッサンが。うーん、シブい。なんでこんなところで椅子に座ってリラックスしてるんだろう。しかも鏡の前で。ナゾなオッサンだわ…しかし彼は彼で、なんだこのヤロー写真なんかパチパチ撮っちゃって失敬な人やなーと思っているかもしれません。うん、思われてると思う。


　あまりジロジロ見つめるのも失礼なので、横目で観察を続けます。←あやしいよ…。すると、彼の足元には…

　あの七つ道具が！

　そう、このオッサンはただのバス停でリラックスしている人ではなかったのです！彼は床屋さんだったのです！はさみやシェービングクリーム、ブラシなどが、キチンと揃えて置かれています。


　そっかー。おっさんは床屋さんやったんか。でも、やはり気になるのは人の入り。ほとんど青空バーバーショップにお客はくるのか来ないのか？まぁ来るからここで商売してるんだろうけど、でも、こんなところでヒゲそられたり、頭のマッサージしてもらうの、ちょっとハズカシイな、などと、勝手に一人で考えてました。

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　数日後、またお迎えで出かけると、私の心配をヨソに、しっかりお客さんが座っとりました。

　あのオッサンもお客が来るとキリリとした顔つきです。仕事ですからね。インタビューしようと思った矢先に、送迎バスが来ましたので、今回はインタビューなしです。